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2013/08/21

住宅性能表示制度見直し 液状化情報を評価書に記載

 国土交通省は、第三者機関が住宅の性能を評価・表示する「住宅性能表示制度」を改正することを決めた。10月から施行する改正省エネ基準の内容を同制度に反映させることに加え、東日本大震災の被害を踏まえて液状化に関する情報を評価書の特記事項として記載する。また、新築住宅において必須で評価している項目の一部を選択項目に見直して住宅購入者の負担軽減や、頭打ちとなっている利用者数の拡大を図る。2015年4月に施行する予定。
 住宅性能表示制度は、国が定める性能評価項目・基準に基づき、第三者機関が設計図書の審査や施工現場の検査を行って等級などを評価する仕組み。評価結果は、住宅ローンや地震保険料などの優遇措置を適用する際の判断材料にも活用されている。新築住宅では年間20万戸程度、新設住宅全体の20%前後が利用している。
 制度改正の方向性は、20日に開かれた社会資本整備審議会建築分科会に国交省が提示した。主な改正内容としては、住宅省エネ基準の見直しと都市低炭素促進法(エコまち法)の制定に伴って住宅性能表示制度も改正。
 10月1日に施行(完全施行は15年4月)される改正省エネ基準では、設備を含めた1次エネルギー消費量を評価基準に導入するほか、外皮性能の計算方法を変更するため、これに対応して従来の省エネ対策等級を「断熱性能等級」と「1次エネルギー消費量等級」に分類する。エコまち法に基づく低炭素建築物認定基準相当の住宅については、最上位等級の「等級5」に位置付ける。
 液状化に関しては、専門家への相談や流通時の判断材料として活用できるよう▽広域的情報(液状化ハザードマップや被災履歴情報)▽住宅敷地の情報(地盤調査の記録)▽液状化対策工法の情報(杭基礎など)―を特記事項として評価書に記載する。
 また、新築住宅の評価項目10分野32項目のうち、必須項目となっている9分野27項目の必須・選択の範囲を見直す。必須項目は、住宅購入者の関心が高い▽構造の安定性▽劣化の軽減▽維持管理・更新への配慮▽温熱環境―のなどに限定し、評価事務の合理化や、住宅購入者の負担軽減・選択自由度の向上を図る。
 制度改正の内容は、9月に行うパブリックコメントや次回の建築分科会を経て最終決定する。施行は15年4月を予定しているが、省エネ基準の見直しに伴う改正は一部先行して適用する。

提供:建通新聞社