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中央ニュース

2013/08/21

築後30年経過の公立小中学校 15年度末には66・5%に

 公立の文教施設の老朽化が進行している。文部科学省は、築後30年を経過する公立小中学校が2015年度末には66・5%に達すると推計している。特に政令指定都市、中核市と特例市は、全国平均より老朽化した施設の保有割合がやや高い傾向にあることが同省の調査結果から分かっている。耐震改修や屋内運動場などの天井落下防止対策の促進が急務となっている中で、多くの学校設置者と地方公共団体が学校施設の整備方針と予算措置についての判断を迫られている。
 公立小中学校の耐震化率は13年4月1日現在で88・9%となっており、文科省は13年度予算による事業完了後は約94%まで進捗するとみている。
 文科省は、構造体の耐震化だけでなく、非構造部材についても速やかに耐震点検と対策を実施するよう学校設置者に要請する一方、地方財政措置を拡充し、実質的な地方負担を軽減するなど、公立小中学校の15年度末までの耐震化完了を目指して地方公共団体への支援を手厚くしている。
 それでも、耐震性のない公立小中学校の建物は13年度末時点で約7800棟近く残る見通しで、これらの建物を持つ学校設置者と地方公共団体は、文科省が手厚い財政支援を行っている15年度末までに耐震改修を終えようとした場合、14年度中に予算措置を講じる必要がある。
 10〜5年前まで8000億円程度で推移していた公立小中学校の建築費は、近年は1兆2000億円を上回るまでになっている。公立小中学校だけでなく、幼稚園や高等学校、特別支援学校でも老朽化が進行している。今後、学校設置者と地方公共団体が耐震対策を加速化し、老朽化対策への取り組みを促進した場合、地方公共団体の小中学校の建築費が向こう1〜2年のうちに1980年度の1兆3666億円、92年度の1兆3597億円を上回る規模にまで拡大する可能性がある。

提供:建通新聞社