政府は8日、2014年度予算の概算要求基準を閣議了解した。地方交付税交付金や義務的経費を除き、状況に応じて柔軟に増減させる公共事業費などの「裁量的経費」は13年度予算から10%削減して要求させる方針を明示。ただ、防災対策や成長戦略関係などの事業を対象に「優先課題推進枠」を設け、各府省は裁量的経費で要求した額の30%まで要求できることにした。各府省の概算要求は8月末までにまとまる。
政府は、今秋に消費税率の引き上げの最終判断を行うため、今回の概算要求基準では歳出の上限額などの明記は見送った。増税の最終判断を経て、増税による増収分を踏まえた予算の大枠を固める。
裁量的経費は前年度比10%減で要求することを求めているため、公共事業費は13年度当初予算に盛り込まれた5兆2853億円の90%が要求の上限額となる。この要求額の30%までの要求を認める優先課題推進枠は、日本再興戦略や骨太の方針で示された防災対策、成長戦略、暮らしの安心・地域活性化、などに関係する経費を重点的に措置。公共事業費の増減もこの優先課題推進枠でどの程度の要求が認められるかに左右されることになる。
また、概算要求基準では、義務的経費やその他の経費が要求額から圧縮された場合、優先課題推進枠に上乗せするとしており、優先課題推進枠自体を増額する余地も残している。
太田昭宏国土交通相は閣議後の会見で「東日本大震災の復興、防災・減災対策、老朽化対策、安全安心の確保、国際競争力の強化などの事業をバランスよく組み合わせたい」と、同省の概算要求の作成に向けた方針を示した。
提供:建通新聞社