国土交通省は、来年度の公共工事設計労務単価の基礎となる2013年度公共事業労務費調査の調査方法を決めた。今回も例年通り建設労働者20万人の10月時点の賃金を調査。8日に建設業団体に対して説明会を開き、正確な調査の実施に協力を求める。特に退職金や諸手当などの記載漏れがないよう依頼する。また、13年度の労務単価引き上げに伴って、適切な賃金水準の確保についても、あらためて会員企業に周知するよう求める。
公共事業労務費調査は、公共工事の予定価格の積算用単価である公共工事設計労務単価を設定するため、毎年10月(一部の職種は9月も含む)に国・都道府県・政令指定都市発注の公共工事に従事する建設労働者約20万人の賃金支払い実態を調べる。
例年、法定労働時間を順守していなかったり、賃金台帳や就業規則に不備があるなどの理由で、調査対象の20万人のうち8万人程度が、無効標本として棄却される。このため、国交省は8日の説明会で、建設業団体に対し、会員企業に調査内容を周知するよう呼び掛ける。
特に、賃金水準を正確に把握するため、賃金台帳に記載されている諸手当(現場手当、技能手当、家族手当など)や、退職金などの記載漏れがないよう要請。13年度の設計労務単価が15・1%と大幅に引き上げられたことを踏まえ、建設労働者の賃金を適正な水準に確保することもあらためて求める。
国交省では、8月中に調査対象となる約1万3000件の公共工事を選定し、9〜10月に各発注機関の監督職員に現場の作業内容、職種、労働者数などを確認させる。10月から各工事の元請け企業と下請け企業のうち、労務単価を設定する51職種の10月の賃金を調査する。
調査対象の企業は、地方整備局、都道府県庁、都道府県の土木事務所などが11月に設置する調査会場で調査票を提出する。国交省は調査結果を集計し、所定労働時間内8時間当たりの賃金に換算した上で、都道府県別・職種別の単価を決定する。
提供:建通新聞社