国土交通省は2日、社会保険未加入対策推進協議会ワーキンググループ(WG)を開き、法定福利費を内訳として明示した標準見積書の一斉活用開始に向けた今後のスケジュールなどを確認した。標準見積書は7月末までに専門工事業団体35団体が提出しており、国交省は未提出の16団体に対しても速やかな提出を求めるとともに、提出した全団体と個別面談を行って標準見積書をブラッシュアップする。9月下旬に開く推進協議会で参加団体が申し合わせを行った上で、標準見積書の一斉活用を開始する。
標準見積書の一斉活用をめぐっては、4月のWGの会合で、国交省、専門工事業団体、元請け団体が9月をめどに各現場で一斉に活用する申し合わせを行った。国交省では、各専門工事業団体に標準見積書をブラッシュアップした上で再提出させる一方、全国10カ所で社会保険未加入に関する説明会を開き、建設業団体や建設企業、地方自治体に標準見積書の一斉活用で社会保険未加入対策を推進することへの理解を求めてきた。
WGの2日の会合で国交省は、7月末時点で35団体が標準見積書を提出したのに対し、12団体が作業中、4団体が完了未定であると報告。提出された標準見積書を分析したところ、本人負担分や労災保険料を含めるなど、社会保険料率の適用に誤りがあったり、法定福利費に消費税がかかることが明示されていないなど、利用時に誤解を与える恐れがある記載もあったという。
国交省では、8月下旬までに標準見積書を提出した全団体と個別に面談し、こうした箇所を修正する上での助言・指導を行う(既に4団体は実施済み)。個別面談後、必要に応じて内容を再度修正し、9月上旬までに再提出し同省で最終的な内容を確認する。
また、昨年10月までに各団体がまとめた、今後5年間を計画期間とする社会保険加入促進計画についても、フォローアップ調査を実施し、各団体における取り組みの進捗状況を把握するなどとしている。
提供:建通新聞社