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2013/08/01

東日本高速が新たなメンテナンス体制

 東日本高速道路会社は31日、高速道路インフラ管理の総合的なメンテナンス体制の構築を目指す「スマートメンテナンスハイウェイ」(SMH)構想を発表した。ICT(情報通信技術)と専門技術者を融合させて維持管理・更新の効率化、高度化、着実化につなげるもの。9月に社内プロジェクトチームを発足させて具体的な検討をスタートし、2013年度内にロードマップをまとめる。2020年度を目標に、道路交通管制センターと連動した「インフラ管理センター(仮称)」を立ち上げてSMHを確立したい考え。
 昨年12月に発生した中央自動車道・笹子トンネルの天井板落下事故や、学識者で検討を進める高速道路の大規模更新などが構想の発端。
 SMHに取り込むICTには▽計測車両による舗装やトンネル覆工の劣化・損傷モニタリング(車両の増加、性能アップ)▽施設多機能測定車「はカーる」(関東以外にも配置)▽現地状況報告支援システム「e―SSS」(関東以外にも導入)▽法面モニタリング(導入拡大)▽無線飛行体「UAV」を用いた橋梁点検(技術開発が必要)―などを想定。これらで得るデータを遠方監視のような形でインフラ管理センターに一元化し、目視・打音検査の結果などと合わせて、インフラの予防保全や構造物の更新計画の立案などに役立てる。
 専門技術者の面では、テクニカル・トレーニングセンター(TTC、高崎)での人材育成を推進。より老朽化が進んだ構造物の点検や診断に集中投入していく。
 9月に設ける社内プロジェクトチームは管理事業本部長がトップを務める。SMHを具体的に検討するため▽業務・体制▽点検・基準▽人材・資格▽補修・修繕▽システム・データ▽ICT・開発―の六つのワーキンググループも設置。補修・修繕などに関しては、社内の技術開発委員会(委員長=建設・技術本部長)と連携して検討を進める。
 東日本高速の廣P博社長は「危機管理対応力が強化され、点検業務の向上で計画的な予防保全が可能になり、第三者被害を未然に防止できる、わが国初の総合的・体系的な取り組みだ」とSMH構想をアピール。有効な技術を先行導入することも視野に入れて「高速道路の安全・快適を追及していきたい」と語った。

提供:建通新聞社