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2013/07/17

アスベスト調査の「公的資格」 「建築物石綿含有建材調査者」養成へ 登録制度としてスタート

 国土交通省は「建築物石綿含有建材調査者」の養成に向け、登録制度をスタートさせる。近く登録講習機関になるために必要な要件を官報で公示し、法人などからの登録申請を受け付ける。審査に適合した登録講習機関には、社会資本整備審議会建築分科会アスベスト対策部会のワーキンググループ(WG)が作成した「育成プログラム」に基づく講習を、2013年度内から実施するよう求める。
 同省は、国内には石綿含有建材を使用している建物が鉄骨造と鉄筋コンクリート造だけでも約280万棟あると推計している。その一方で、これら石綿含有建材を使用したストック建築物の解体のピークは2026年ごろになるといわれており、建築物における精度の高い石綿使用実態調査、適切な管理体制、安全な除去工事―の実現が大きな課題となっている。
 ただ、過去に建築物に使用されてきた石綿含有建材は多種多様である上に、用途や部位などによって使用されてきた石綿含有建材が異なる。石綿対策工事の実務者などからは、石綿に関する学術的な知識や、労働安全衛生法の石綿障害予防規則に基づく特別教育(座学)だけでは、建築物の石綿の使用実態を高い精度で把握することは困難―などの意見が寄せられていた。
 同省は同審議会アスベスト対策部会の意見も踏まえ、建物の経年劣化による石綿の飛散防止、建物の通常使用時の安全確保の視点も加え、精度の高い石綿使用実態調査ができる体制の構築が必要と判断。まず、調査の担い手となる調査者の養成を急ぐ。
 高いレベルの調査者を養成し、短期間で一定以上の数を確保するには資格取得のインセンティブが必要とも考えている。一定数の調査者を養成できた後は、同調査者が建築物の石綿調査や工事完成検査などを行うことを、石綿の調査や除去などに対する国庫補助の要件とすることも想定している。
 同省は2007年12月、総務省から「1000平方b未満の民間建築物と1990年以降に施工された民間建築物のアスベスト使用の実態把握を求める」行政勧告を受け、国がアスベスト総合対策を策定した後は中断していた社会資本整備審議会建築分科会アスベスト対策部会を08年9月に再開。同部会にWGを設置し、建築物におけるアスベスト使用の実態を把握するための仕組みや環境整備の在り方について検討していた。
 WGは、これまで学識者や実務者などに対して行ったヒアリングや、国庫補助事業によるアスベスト対策モデル事業の実施と検証で得られた知見を踏まえ、「建築物における石綿含有建材調査者」を公共関与によって育成する必要があると提言。調査者を養成するための教育プログラムや、そのツールとしてのテキストなどの作成を先行的に行っていた。
 
提供:建通新聞社