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2013/07/03

目指せインフラの町医者 第8回トップランナーフォーラム

 地域建設業は存在そのものが安心感につながる「町医者」を目指すべき―。建設トップランナー倶楽部(代表幹事・和田章東京工業大学名誉教授 代表幹事・米田雅子慶応大学特任教授)は2日、東京都内で「第8回建設トップランナーフォーラム」を開き、災害への対応や老朽化した社会インフラの適切な維持管理、そして地域の雇用を守るのが地域建設業者の役割であることを全国の参加者とともに確認。新規事業や災害復旧など“町医者”として活躍する全国のトップランナーがその取り組みを紹介した。
 主催者を代表して米田代表幹事が「地域建設業には防災の最前線での活動、老朽化するインフラの点検と維持、そして公共投資でインフラを整備しつつ“複業”による産業創出・雇用確保という大きく三つの役割がある」と今回のテーマを説明。「地域に存在することが安心感につながる『町医者のような地域建設業』を目指すべきだ」と述べた。
 フォーラムではまず、セントラル建設(岐阜県)の阿部伸一郎社長が「介護とリフォームで雇用創出」、日本建設技術(佐賀県)の原裕社長が「ミラクルソルで日本水大賞」、中村建設(静岡県)の伊藤直樹氏と阿部正雄氏が「環境・エネルギーへの展開」をそれぞれ紹介。
 阿部社長は、舗装専業業者だった同社が介護用品レンタル事業を足掛かりにリフォームなどに乗り出し、着実に業績を伸ばしている現状を説明。「建設と介護の副業化で相乗効果が高まり、新たな建設需要と介護需要を取り込むことができる」と述べた。
 原社長は、廃ガラスと発泡剤を混合して製造する多目的環境材料「ミラクルソル」の開発経緯や実証実験の効果などを解説した。有明海の底質改善を目的として開発した同製品を実証実験した結果、底質に含まれる有機物や硫化物の濃度が下がり、台風や波浪による分級(砂の粒などが波の力で同じ大きさにそろい、生物の生息環境が悪化する)現象の緩和などにつながることを確認。ダム流入河川や池、食品加工場の廃水処理など活用が広まっていることを紹介するとともに、「新分野進出は困難を伴うが決して不可能ではない」と挑戦の必要性を訴えた。
 中村建設の伊藤氏と阿部氏は、浜松市の学校跡地を活用して開始した浜松・いなさ太陽光発電所の概要を紹介。事業参入のきっかけが、同社が寄贈した校門が地元の要望で学校跡地に残されたことだったと述べた上で、「非常用電源の無償提供や緊急時ヘリ着陸スペースの設置、地元住民や小中学生を対象にした現地見学説明会の開催、売電基金の一部の地元への寄付などに取り組むことで、太陽光発電を地域の活性化につなげる」と事業の意義を説明した。
 この後、全国のトップランナーが複業による地域の活性化や、災害から地域を守る取り組み、老朽化から社会インフラを守る取り組みを紹介した。
 来賓として訪れた林芳正農林水産相は「地域にとって農林水産業と建設業は欠かせない存在だ。建設業は農林水産業の衰退による雇用の受け皿となったが、いま建設業が農林水産業で事業を始めようとしている。6次産業化の中で『経営する』という感覚が必要であり、コストを下げつつどのように売っていくのかが大事。皆さんの持つ経営力を農林水産業に生かしてほしい」とトップランナーの取り組みに期待を寄せた。

提供:建通新聞社