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2013/06/26

中小企業向け官公需 契約目標率、過去最高の56・6%

 政府は25日、2013年度の中小企業向け契約目標率を56・6%とする「中小企業者に関する国等の契約の方針」を閣議決定した。契約目標額は12年度より3590億円多い4兆1902億円。契約目標率は、過去最高だった前年度よりも0・3%増え、過去最高を更新した。「価格と品質が総合的に優れた調達の推進を図る」として、社会保険料など最新の実勢価格を踏まえた積算、消費税と地方消費税の負担分なども勘案した「適切な予定価格の作成」をうたった。
 13年度の「契約方針」は、▽技術力のある中小企業・小規模事業者の入札参加資格の一層の弾力化の推進▽地域の建設業者を活用する際の適切な地域要件の設定▽地域企業の「地域精通度」などの適切な評価―などを掲げた。
 また、国や地方公共団体などは、工事以外の物件や役務の発注でも地域精通度が円滑かつ効率的な契約の重要な要素となる場合、これを十分考慮し、一般競争入札においては▽適切な地域要件の設定▽総合評価落札方式での地域精通度などによる中小企業・小規模事業者の適切な評価、積極的な活用に努めるとした。
 その上で、中小建設業者に対する配慮についても明記。国などの発注者に対しては、中小建設業者を取り巻く現下の諸情勢に特段の配慮を払い、中小工事の早期発注などによって受注機会の増大に努めるよう求めた。
 特に、一般競争や指名競争については、同一資格等級区分内の者による競争の確保を前提としつつ、優良な工事成績の中小建設業者は上位の等級に属する工事の競争にも参加できるようにするなど、積極的に受注機会を確保するよう要請。地域の建設業者や専門工事業者などの中小建設業者を活用することで、円滑かつ効率的な施工が期待できる工事については、極力、分離・分割して発注するよう促した。
 「契約方針」は、官公需の調達に当たってのこうした考え方を示した上で、ダンピング防止対策の推進についても明記。国などの発注者には、需給状況や、原材料および事業主負担分と労働者負担分を合わせた社会保険料相当額を含んだ人件費―などの最新の実勢価格を踏まえた積算を行い、消費税と地方消費税の負担分などについても勘案した上で、適切に予定価格を作成するとした。
 さらに、公庫や地方公共団体の発注についても触れ、いわゆる歩切りや、予定価格などの事前公表の取りやめを促進する一方、国など全ての官公需契約の発注者に対し、低入札価格調査制度を適切に活用するなど、過度な低価格競争の防止に努めるよう、あらためて求めた。
 主な省庁・独立行政法人の工事の契約目標は次の通り(@予算額A中小企業向け契約目標額B契約目標率)
 ▽国土交通省―@1兆9100億円A1兆1670億円B61・1%▽農林水産省―@1517億円A1177億円B77・6%▽防衛省―@1575億円A853億円B54・1%▽都市再生機構(UR)―@2437億2200万円A829億4400万円B34%▽水資源機構―@182億3900万円A147億5300万円B80・9%▽鉄道建設・運輸施設整備支援機構―@1056億4500万円A177億5000万円B16・8%
▽国立病院機構―@705億4000万円A237億0100万円B33・6%

提供:建通新聞社