国土交通省は、社会資本の老朽化対策に役立つ新技術の活用を拡大する。新技術情報提供システム(NETIS)を活用して7月から非破壊検査技術など高度な点検・診断技術を公募し、10月から各地方整備局などの現場を提供し、実用化を後押しする。NETISに「点検・診断技術専用サイト(仮称)」も創設し、各技術の公募情報や活用の効果などを公表する。
NETISは、民間などが開発した新技術をデータベース化し、ホームページでの公表を通じて広く情報を共有するとともに、公共工事で積極的に活用することで、技術開発と改善を促すためのシステム。
国交省は、社会資本の老朽化対策を進める上で、点検・診断の効率化と高度化が不可欠と判断。研究開発段階や実用段階にあっても埋もれている点検・診断技術を掘り起こすため、NETISを活用することにした。
点検・診断技術を公募するのは、現場ニーズ・行政ニーズで公募テーマを決め、直轄工事などの現場を提供して事後評価を行う「フィールド提供型」。7月にも公募を開始して新技術の提案を求め、事前審査を行った上で地方整備局や研究機関などのフィールドを提供する。事前審査などの手続きを簡略化し、迅速な活用につなげる。
加えて、NETISに点検・診断技術専用サイトも立ち上げ、公募情報・結果、各技術の活用・評価結果を掲載する。
新技術の活用をめぐっては、個別の点検・診断を行わなくてもインフラの状態が把握できる「モニタリングシステム」の開発にも注力する。モニタリング技術について、維持管理のニーズを踏まえてITなど先端技術の適用を検討し、10月から実証事業を行う技術の提案を募る。学識経験者や業界団体を交えた検討会議も設置し、実用化を後押しする。
提供:建通新聞社