自民党・公明党は、南海トラフ巨大地震の防災対策への支援拡充を図る特別措置法案をまとめ、6日に議員立法として国会に共同提出した。南海トラフ巨大地震の地震被害が生じる恐れのある地域を「防災対策推進地域」、推進地域のうち津波被害が予想される地域を「津波避難対策特別強化地域」に指定。特別強化地域では、避難施設の整備に対する国の財政支援を拡充したり、集団移転促進事業関連の施設移転などを補助する。
2002年に制定された東南海・南海地震特措法を改正し、東海地震を含めた最大級の南海トラフ巨大地震を想定した地方自治体などの防災対策を支援する。
法案では、内閣総理大臣が南海トラフ巨大地震の地震被害が懸念され、防災対策を推進する必要がある地域を推進地域に指定し、政府の中央防災会議が推進地域を対象とする基本計画を作成するとした。
指定を受けた地域の地方自治体は、基本計画に基づき、津波避難対策施設整備の目標と達成機関を定めた推進計画を作成。推進地域内の医療機関や不特定多数が出入りする百貨店などの管理者にも指定後6カ月以内に対策計画の作成を求める。
推進地域のうち、津波被害が予想される地域は特別強化地域に指定。指定地域にある市町村は▽避難施設▽避難場所▽避難路・避難経路▽集団移転促進事業▽―などの整備目標と達成期間を定めた「津波避難対策緊急事業計画」をまとめる。
国は、津波避難対策緊急事業計画に盛り込まれた事業に対する補助金の嵩上げなどの財政支援策を講じる。集団移転促進事業に対しては▽農地転用の許可要件の緩和▽住宅団地の用地取得経費の補助▽施設の除却費に地方債を充当―などの特例措置も設けるとしている。
提供:建通新聞社