国土交通省は、2013年度当初予算に盛り込まれた直轄事業の入札・契約に関する執行方針(官房長通達)をまとめ、各地方整備局などに通達した。13年度当初予算と12年度補正予算を「15カ月予算」として一体的に執行することを目指し、事務の改善と効率化に努めるよう指示。具体的には、総合評価方式の二極化などで技術力評価の簡素化に努めることや、地域の実情と工事特性に応じて指名競争入札を実施しても差し支えないことなどを明記している。
官房長通達は、予算成立後の5月17日付で発出した事務次官通達を具体化するもの。12年度中に運用を開始した入札契約関係の施策や、12年度補正予算の執行方針などを反映させた。
総合評価方式の運用に関しては、3月にまとまったガイドラインに基づき、企業の施工能力を評価する施工能力評価型と、施工能力と技術提案を評価する技術提案評価型への二極化などにより、技術力評価の簡素化を図るよう要請した。
補正予算成立後の通達で、早期執行に効果がある工事などで実施を認めていた指名競争については、地域の実情や工事の特性を踏まえ、事務の改善と効率化に大きな効果が見込まれる工事について、採用しても差し支えないと表現を変えた。指名競争を採用する際は、入札監視委員会などの第三者機関による指名業者選定の事後チェックを行い、本省に報告することも求めている。
一方、高知県内の直轄工事における談合問題を受け、入札・契約手続きの際、発注者と応札者・受注者間の規律を保持するよう指示。コンプライアンス推進の強化、情報管理の徹底などの再発防止対策を講じ、入札契約手続きを厳正に行うよう求めた。
提供:建通新聞社