国土交通省は、発注者が元請け企業を選定する段階で下請け企業の人材育成の取り組みや施工力を評価する「専門工事業者等評価制度」の検討に当たり、元請け企業と下請け企業1万社程度を対象とする実態調査を行う。各企業が雇用する登録基幹技能者・主任技術者・若年労働者の数、国家資格を持つ若年労働者数、教育訓練費などをアンケート形式で尋ねる。調査結果は、同制度の枠組みを検討している「担い手確保・育成検討会」での議論に反映させ、2013年度中にも制度を試行する方針。
専門工事業者等評価制度は、発注者が元請け企業を選定する際に専門工事業者を評価することで、元請け企業がコストにとらわれず、人を大切にし施工力のある専門工事業者と契約することを後押しする仕組み。昨年8月に設置した「担い手確保・育成検討会」のワーキンググループで制度の詳細を検討している。
同制度では、元請け企業の入札段階で、専門工事業者(一次下請け)の登録基幹技能者の雇用状況、一定の資格を持つ若年労働者の雇用・活用状況、技能・技術を習得する若年労働者の育成に関する取り組み、などを評価することを想定。
実態調査では、こうした評価項目の実行性を検証するため、元請け企業と専門工事業者の中から最低でも1万社を対象とするアンケートを実施。各企業に▽継続雇用されている登録基幹技能者・主任技術者・若年労働者数▽登録基幹技能者の評価の実態▽国家資格などを持つ若年労働者の雇用状況▽新規学卒者採用・中途採用の実態▽教育訓練の対象とする若年労働者数―などを尋ねる。必要に応じ、企業ごとにヒアリングも行う。
このほか、元請け企業が下請け企業を選定する際に評価すること、下請け企業が元請け企業に評価を望む項目なども、調査・分析するとしている。
調査は外部に委託して7月から開始する。同じ委託の中で、登録基幹技能者講習の受講・更新のインセンティブ向上、教育訓練施設と連携した技能労働者の確保・育成方策なども調査・把握する予定。
提供:建通新聞社