建設トップランナー倶楽部(和田章代表幹事、米田雅子代表幹事)は5月31日から6月2日までの3日間、愛媛県松山市で視察研修会を開催した。初日に愛亀(あいき)松山事業本部で行われた研修には約50人が参加し、9社13事業部による同社の地域での連携化・複業化の取り組みが紹介された。
研修会の冒頭、米田代表幹事は「この集まりで学んだことを各社に持ち帰りビジネスに生かしてほしい」、和田代表幹事は「この研修会への参加を楽しみにしていた。学ぶことが全て身になると感じている」とあいさつした。
研修では愛亀企業グループの一つである農業生産法人「あぐり」を取り上げ、愛媛県農林水産研究所の輪木寿人氏が「企業の農業参入における農地集積の実態と今後の展開に関する一考察」をテーマに講演。あぐりによる農地集積手法や地域農家と摩擦を起こさない連携手法など農業参入事例を紹介した。
続いて愛媛県ブランド戦略課の真木健司氏は「エコえひめ農産物の生産・消費拡大の取り組み」について解説。エコえひめ農産物の位置付けやあぐりによる新たな農産物流通の実践を紹介。「できればあぐりがJAをリードしてほしい」と期待を寄せた。
研修会後半では愛亀の西山周社長=写真=が「インフラの町医者」として自社グループが展開する9社13事業部による地域内での連携化・複業化を目指した動機や、企業グループ内の農商工連携・6次化≠ノついて分かりやすく説明。「地域内では経済原則至上主義だけでは納得してもらえない。人知れず黙々と働き、いつのまにか頼られる会社となることを目指していきたい」と語った。
このほか、中央道路(四国中央市)の石川早苗氏がチョウザメ養殖事業、愛亀の玉井昭典氏が路面の滑り抵抗に関する技術的取り組みについてそれぞれ発表した。
提供:建通新聞社