地方自治体が管理する地方道を国が代行して修繕する制度の創設などを盛り込んだ改正道路法が29日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。代行制度をはじめ、道路構造物の予防保全・老朽化対策を充実させるため、道路管理者が点検を含む維持・修繕を行うべきことを明確化。災害発生時に道路管理者と協定を結んだ民間団体などが道路啓開を行うことを新たに法律の中で位置付ける。
改正法は、中央自動車道笹子トンネルの崩落事故などを受け、道路構造物の老朽化や予防保全の観点を踏まえた措置を充実させる。
地方道の修繕については、都道府県や市町村から要請があった際に、国交省が代行する制度を創設。マンパワー不足が叫ばれている自治体職員では対処が難しく、高度な技術が求められる大規模で複雑な道路構造物を想定している。
道路構造物の予防保全・老朽化対策に向けては、道路管理者に点検の実施を義務付けたり、点検に関する基準を設けるなど対策の充実を図る。国交省が点検結果を調査し、開発技術も活用する規定なども設ける。
道路管理者と民間団体などが協定を締結すれば、災害発生時に団体が道路啓開や修繕工事を行うことができる規定も盛り込む。対象の道路区域や工事費の負担方法などを協定の中で位置付けるよう求めている。
このほか、道路を適切に管理する枠組みも構築する。隣接する複数の道路管理者が協議会を設置できるようにする。協議会が防災上重要な道路などの管理方法を取り決めたり、並行する路線間の調整(自転車通行空間の確保など)といった地域のさまざまな課題に対応する。
提供:建通新聞社