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2013/05/30

財務省 予定価格の上限拘束撤廃に否定的 自民党・公共工事契約適正化委 

 自民党の公共工事品質確保に関する議員連盟が設置した公共工事契約適正化委員会(野田毅委員長)が29日に開かれた。この中で、財務省主計局の大鹿行宏法規課長は、予定価格の上限拘束性について「施策の確実な実施や個々の契約金額の上限を認識し、資金の効率的な使用を確保するためのもの」との前提を示した上で「(予定価格は)決して安さ追求の手段として位置付けられてはいない」と発言。上限拘束性の撤廃について「理論上は成立しても、現実的に問題があるかどうかを考える必要があるだろう」と否定的な見解を示した。
 大鹿課長は、法令上の予定価格の趣旨と目的について「個々の予算を執行する際に、契約金額の見積もりの上限を示すと同時に、契約金額の適正性の判断の基準となるものと考えている」と説明。予定価格の設定については「発注者が契約内容や状況に応じ、きめ細かく配慮することが重要だ」との認識を示した上で「契約方式と発注方式とも絡む問題なので、国交省とトータルな観点で検討したい」などと語った。
 一方、国土交通省の佐々木基土地・建設産業局長は、28日に同省が初会合を開いた「地域の建設産業及び入札契約制度のあり方検討会議」について委員会に報告。検討会議では、適正な予定価格の在り方も、議論のテーマとしており「落札価格をベースとする予定価格では年々下落傾向に陥いる。本来の市場価格を反映する価格はどうあるべきか。さらに検討が必要だと考えている」などと述べた。
 委員会に参加した議員からは「公共事業で地域を活性化するためには、一般競争入札から指名競争入札への転換が必要だ」「労務単価は大幅に引き上げられたが、資材価格高騰の問題は残っている」「市町村レベルにしっかりとした見積もりをできる職員がいない。地域の実情にあった入札契約制度や職員をフォローする体制が求められている」などの声が上がった。
 また、国交省が低入札価格調査基準価格の算定式を見直し、一般管理費等を30%から55%に引き上げたことに関し「なぜ55%なのか。さらに引き上げるべきだ」「予定価格の70〜90%とされている調査基準価格の設定範囲を引き上げることも必要なのではないか」などの意見も出た。

提供:建通新聞社