国土交通省は、今後の建設産業政策と公共調達の方向性を話し合う「地域の建設産業及び入札契約制度の在り方検討会議」(議長・鶴保庸介副国交相)を設置し、きょう28日に初会合を開くと発表した。建設投資の減少やダンピング受注の増加などを要因とする建設産業の疲弊で、技術者や技能労働者不足が顕著になっている一方、老朽化対策など地域における産業の役割は高まっている。検討会議では、こうしたニーズに応えることができる産業政策の在り方や、地域の建設企業を育成する入札契約制度の方向性について意見を交わす。
検討会議は、鶴保副国交相と松下新平大臣政務官のほか、佐藤直良事務次官、菊川滋技監、佐々木基土地・建設産業局長、日原洋文建設流通政策審議官ら、省内の幹部級で構成する。
建設投資の減少などを要因とする技術者や技能労働者などの担い手不足は、東日本大震災の復旧・復興工事、12年度補正予算の編成による公共事業費の急激な増加などでクローズアップされた。昨年12月に発生した中央自動車道笹子トンネル事故を契機に、社会資本の老朽化対策の重要性にも焦点が当たっている。
今回の検討会議では、業界を取り巻くこうした情勢の変化を踏まえ、建設産業政策の方向性をあらためて議論。老朽化対策や防災・減災対策など新たな建設産業に対するニーズに応じた入札契約制度の在り方についても一定の方向性を示す。
公共調達の在り方をめぐっては、自民党の「公共工事品質確保に関する議員連盟」が設置した「公共工事契約適正化委員会」がことし1月から会計法や地方自治法の枠組みによらない新法の制定に向けた議論をスタートさせ、財務省・総務省・国交省の3省共同のワーキンググループも発足している。検討会議では、こういった関係する検討組織での意見も参考にしながら、同省としての施策の方向性を議論する。
提供:建通新聞社