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中央ニュース

2013/05/20

13年度予算の公共事業 「地域の実情」に配慮 早期執行は盛り込まず

 国土交通省は17日、2013年度予算の成立を受け、所管事業の執行方針などを示した事務次官通達を各地方整備局や関係部局に送った。早期の執行を指示した12年度補正予算とは異なり、地域の実情を注視し、円滑で確実な公共事業の執行に努める必要性を強調。補正予算を含めた大量の事業執行により、資材価格の高騰や技能者不足などを助長する恐れに配慮した内容だ。公共工事設計労務単価の引き上げを踏まえ、技能労働者の賃上げを促す施策の実施や社会保険加入指導のさらなる徹底も求めている。
 執行通達では、公共事業を施行する際の方針として「切れ目ない予算執行を通じて景気に万全を期す観点から、地域の実情等を注視しつつ、円滑かつ着実な事業の執行に努めること」と指示。17日の閣議で、麻生太郎財務相が関係閣僚にそうした内容の要請を行ったことを受けた措置だ。
 このほか、公共事業の施行方針としては▽東日本大震災の被災地の復旧・復興事業の加速化▽随意契約の見直しなどのチェック強化▽総合評価方式の技術審査・評価業務の効率化▽地域の実情や工事の特性を踏まえた指名競争入札の活用―などを盛り込んだ。
 建設産業の発展に向けては、13年度労務単価の大幅な引き上げに合わせ、太田昭宏国交相が建設業団体に技能労働者の賃金水準の確保を要請したことを踏まえ、各地整ななどでも適正な単価設定や予定価格の積算、変更契約の締結などの措置を講じるよう求めた。
 労務単価の引き上げをめぐっては、退職金制度や保険制度への加入など、労働条件の改善を請負業者に指導することも要求。特に、社会保険・労働保険の法定福利費は、建設業者が義務的に負担する経費であるとし、加入指導を徹底するとともに、見積もり時から法定福利費を必要経費として盛り込むことを指導するよう求めている。
 また、中小建設業者の受注機会を確保するため、上位等級工事への参入の拡大、競争性が確保される範囲で可能な限り分離・分割発注を実施する必要があるなどと指摘している。

提供:建通新聞社