国土交通省と総務省は16日、都道府県と政令指定都市に対し、低入札価格調査基準価格の計算式のうち、一般管理費等の算入率の引き上げを求める通知を送った。国交省は直轄工事で、一般管理費等の算入率を現行の30%から55%に引き上げることを決めており、国の主な発注機関でつくる中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)も、16日付で低入札価格調査基準モデルを改定し、同じ措置を講じた。通知は、地方自治体にも調査基準価格と最低制限価格の計算式を見直し、一般管理費等の引き上げを求める内容となっている。
国交省の直轄工事では、予定価格の70〜90%の範囲で、直接工事費の95%、共通仮設費の90%、現場管理費の80%、一般管理費等の30%の合計額に1・05を乗じた価格を調査基準価格として設定していが、16日の入札公告分からこのうち一般管理費等の算入率を55%に引き上げた。
中央公契連でも、16日に低入札価格調査基準モデルを改定したため、中央公契連に参加する国の中央省庁や独立行政法人、道路会社などでも、国交省と同様の引き上げ措置が図られるとみられる。
今回の通知は、こうした一連の動きに合わせ、自治体にも調査基準価格の計算式の見直しを求めたもの。国交省土地・建設産業局長と総務省自治行政局長の連名で、各都道府県と政令指定都市に加え、都道府県議会と市議会宛てにも送付された。都道府県には、管内の市区町村に対する周知も求めている。
また、通知では、国交省と総務省が3月8日に発出した通知を踏まえ、調査基準価格や予定価格などの事前公表の廃止、歩切りの取り止めなど、契約価格の適正化にも努めるよう要請した。
国交省の昨年10月時点の調査によると、47都道府県のうち44団体が、2011年に改定された中央公契連モデルか同モデル水準以上の調査基準価格の計算式を採用。11年モデル以下の水準だったのは、長野県、鳥取県、長崎県の3団体だった。最低制限価格については、38団体が11年モデルの水準以上の計算式を採用し、水準以下は広島県の1団体、非公表が4団体、最低制限価格を未導入が4団体だった。
提供:建通新聞社