国土交通省の社会資本整備審議会道路分科会道路メンテナンス技術小委員会は13日、「道路のメンテナンスサイクルの構築に向けて」と題した中間報告の大筋をまとめた。中間報告では、点検・診断・措置(補修など)・記録で構成するメンテナンスサイクルの段階的な充実を図るため、全国の道路構造物を対象としたデータベースの構築、民間が開発した新技術の認証制度の充実などを国に求める内容となっている。
中間報告案では、道路構造物の適切な維持管理に向け、点検・診断・措置・記録の業務サイクルを通じ、長寿命化計画などの内容を充実した上で予防的な保全を進めるメンテナンスサイクルを構築すべきと提言した。
メンテナンスサイクルの段階的な充実に向けては、広域に対応する専門的組織や地方自治体の支援拠点の強化の必要性を提案。高規格幹線道路など重要路線については、点検の実施や長寿命化計画の策定・措置状況を定期的に国がまとめる仕組み・体制の充実も求めた。
全国の道路構造物から得られる技術的知見を国が把握・蓄積したデータベースの構築についても要請。点検結果や構造物の健全度に関する情報の共有と見える化を進め、国民の維持管理に対する関心と理解を高めるべきとしている。
非破壊検査や構造物の劣化予測などの新技術の開発については、国が検査要領の整備や調達制度・技術基準への反映を進めるとともに、技術レベルの評価・認証制度の充実を図るよう求めた。
市区町村に対する支援措置の充実についても提言。大規模な構造物などの点検・診断・更新を国が代行する制度の導入、維持管理に対する集中的な財政支援などを求める内容となっている。
提供:建通新聞社