経済産業省の産業構造審議会中心市街地活性化部会は14日の会合で「中心市街地の再活性化に向けて」と題した提言案をまとめた。提言案は、従来の中心市街地活性化政策の再構築を目指し、空き店舗・未利用地の活用による不動産の流動化、生活利便施設の立地誘導、まちづくり会社に対する税負担の軽減など、今後の政策の方向性を示す内容。部会では次回27日の会合で提言を最終決定する。
提言案では、2006年の中心市街地活性化法改正について、厳しい経済情勢や人口減少・高齢化などの理由で、掲げられた目標が部分的にしか達成されていないと評価。一方、自家用車を持たない生活弱者や郊外化による地方財政の圧迫などの背景を踏まえると、中心市街地活性化の重要性は増しているとし、政策の再構築を進める必要があると訴えている。
具体策としては、現在は平均160fを超える中心市街地の区域の広さを問題視し、徒歩圏に限定するなど、設定する圏域を縮小する必要性を指摘。地権者に活用の意思がない空き店舗・未利用地の増加を防ぐ目的で、空き店舗などを賃貸・譲渡した地権者と取得者に対する税制優遇などの支援措置を講じるべきともしている。
中心市街地を居住空間として再生するため▽保育施設▽サービス付き高齢者住宅▽老人保健施設―など、生活利便施設の整備・集約も求めた。経産省が、国土交通省や厚生労働省などの関係府省と連携し、生活利便施設の立地誘導を図る政策の実現を促している。
このほか、中心市街地活性化政策の担い手であるまちづくり会社の体力強化についても言及。土地を取得した場合の税負担の軽減のほか、中心市街地内の複数施設のメンテナンスを一括受託することで収益を生み、収益をまちづくりに再投資する仕組みなどの実現を提案している。
提供:建通新聞社