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2013/05/08

1億以下の公共工事 地元業者の受注増に配慮 自民が議員立法

 自民党は公共工事の発注者に対し、予定価格1億円以下の工事を地元建設業者と契約する努力義務を課す新たな法案をまとめた。国・独立行政法人・地方自治体が発注する公共工事について、当該工事の施工区域が含まれる市町村に本店がある地元建設業者への発注に配慮する規定を設ける。
 法案の名称は「国等が行う公共工事についての地元建設業者の受注の確保等に関する法律案」。建設業を取り巻く社会経済情勢の変化などを踏まえ、公共工事の発注で地元建設業者の受注機会を増加する措置を講じ、地域経済の活性化と建設業の健全な発展を目的に制定する。議員立法としての成立を目指す。
 法案では、国・独立行政法人・地方自治体が発注する予定価格1億円以下の工事について、施工区域の市町村に本店がある地元建設業者の受注機会の増大に「特に配慮しなければならない」とする規定を設ける。大型工事を受注するゼネコンなどに対しても、地元建設業者と下請け契約を結んだり、地元企業から資材・機械器具などを購入する努力義務規定を設ける。
 国土交通相はこの法律に基づき、各府省と協議して公共工事の契約で地元建設業者の受注機会を増加するための基本方針案を作成し、政府が閣議決定する。各府省は、地元建設業者との契約実績を国交相に通知し、国交相が取り組みが不十分な府省に必要な措置を講じるよう要請できるようにする。
 法案は2013年度中に国会に提出し、成立後の14年4月1日の施行を目指す。
 新法が施行されれば、既に大半を地元建設業者と契約している市町村発注の1億円以下の工事への影響は小さいとみられるが、国の直轄工事では本店所在地の市町村によって受注機会の不均衡が生じる可能性もある。

提供:建通新聞社