自民・公明党の「減災・防災に関するプロジェクトチーム基本法小委員会」(座長・脇雅史参院国対委員長)は25日、国土強靭(きょうじん)化に関する基本法案の要綱と条文について大筋で合意した。法案の名称などについて最終調整した上で、5月中旬にも今国会に提出する。基本法は、内閣総理大臣をトップとする推進本部を設置し、国土強靭化に関係する国の計画の指針となる「国土強靭化基本計画」を定めることを柱とする。基本計画を上位計画に位置付けて各分野の計画を見直すとともに、計画に盛り込まれた施策を推進するとしている。
25日の会合では、自民党側が提出した条文案などの内容については大筋で合意。法案の名称は、自民党が提案した「国土強靭化基本法案」について、公明党が「防災・減災」の要素を加えるよう主張したことで最終合意には至らなかった。
ただ法案の内容については、ほぼ合意しており、名称などを最終調整した上で連休明けのプロジェクトチームで最終決定し、両党の党内手続きを経て5月中旬にも国会へ提出する運びとなる。
基本法案は、東日本大震災で得られた教訓を踏まえ、事前防災と減災、早期の復旧・復興に貢献する施策を国が計画を定めて総合的に進めることを基本理念とする。
具体的には、各分野の脆弱(ぜいじゃく)性を評価した上で、政府の推進本部が基本計画を策定し、国土強靭化の対象となる施策に優先的に予算配分する。推進本部は内閣総理大臣を本部長とし、内閣官房長官、国土強靭化担当相、国土交通相を副本部長で構成する。本部長には、関係する行政機関に対して勧告する権限も持たせる。
地方自治体も、基本計画の内容に沿った国土強靭化地域計画を定めることができると規定。地域計画も各自治体の計画の上位に位置付け、国土強靭化に関する施策の指針としての役割を果たす。
国土強靭化をめぐっては、すでに内閣官房に国土強靭化推進室が設置され、政府は14年度予算の編成に反映できるよう5月下旬にも「当面の対応」をまとめる考えでいる。基本法の成立を待って本格的な対応についても検討を開始する見通しだ。
提供:建通新聞社