東京都と首都高速道路会社は16日、中央環状品川線の開通を1年延期し、2014年度末にすると発表した。シールドトンネルの掘削完了後に五反田出入口と南品川換気所工事で出水が発生し、止水対策工事などの追加が必要と判断した。首都高は止水対策工事について「開通時期を極力前倒しできるよう、工期短縮を検討する」としている。
中央環状品川線は、全線47`に及ぶ中央環状線の最終区間に当たる品川区八潮3丁目から目黒区青葉4丁目に至る約9・4`の区間。都と首都高が共同で事業を進め、13年度末の開通を目指していた。
シールドトンネル本線は既に開通しているものの、首都高が施行する五反田出入口工事と都が施行する南五反田換気所工事で出水が発生した。首都高の五反田出入口工事では、12年1月と9月に出水が発生し、凍結工法で止水対策を実施。一方、都の南品川換気所では、首都高の対応を受けて事前に凍結工法を行って工事を進めていたものの、12年9月に出水を確認。5月から薬液注入による新たな対策を講じるとしている。
出水の原因については「事前調査は行っていたが、想定以上に地層が複雑で、粘土層の中に水を含む地層があった」(首都高)などと分析している。また、首都高では、羽田線などで計画している大規模更新への影響はないとみている。
提供:建通新聞社