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2013/04/12

JISA3301改正原案は建築学会で検討

 文部科学省は、2013年度から木造校舎の構造設計標準(JISA3301)の改正作業に取り組む。同標準は昭和58年(1983年)の改正以降は大幅な見直しが行われていないことから、関係省庁の協力を得て、社会の変化と要請に対応した改正を目指す。JISA3301の改正原案は日本建築学会が作成。改正原案の検討に合わせて、文部科学省が木造校舎の計画・設計を進める上での留意点や設計例などを「技術的資料」としてまとめていく。
 JISA3301改正の方向性については、ことし3月に文部科学省の「木造校舎の構造設計標準の在り方に関する検討会」(長澤悟座長)が報告書をまとめた。木造建築物の技術が進展している一方で、大規模な木造建築物の経験がない技術者が増えていることから、今回の改正では、経験がない設計者らが木造校舎の計画・設計に活用できるものにする。また、計画・設計の多様性を確保し、木造ならではの魅力ある造形、空間を実現できるものを目指す。
 例えば、さまざまな大きさに対応できるよう一定の幅のある寸法体系を用意し、その組み合わせにより多様な空間構成を可能にする。構造上必要な柱や壁は、学習活動の妨げにならないように配置。教室と廊下・多目的スペースの間は視認性や連続性を確保し、一体的な活動が行えるようにする。材料・構法などは特殊なものではなく、どの地域でもある程度対応が可能なものとし、建設コストも割高にならないようにする。
 さらにJISA3301の改正に合わせて、▽木造校舎の計画・設計に関する技術的事項▽設計例▽応用する場合の留意事項―などを「技術的資料」として整備する。
 JISA3301の改正原案の検討・作成は、日本建築学会の委員会で13年度に実施する予定。「技術的資料」については、建築学会での改正原案の議論を見ながら、文部科学省の木造校舎の構造設計標準の在り方に関する検討会」で作成。これまでに同省が作成した事例集や、国土交通省が制定した「木造計画・設計基準及び同資料」など既存の資料を活用していく。

提供:建通新聞社