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2013/04/01

全区分で単価上昇 被災3県は25・5%増 13年度の労務単価

 国土交通省と農林水産省は29日、2013年度の公共工事設計労務単価を発表した。全国全職種の平均単価は加重平均で前年度比16・1%増の1万5175円(単純平均値1万8996円、15・1%増)。労働需給の逼迫(ひっぱく)状況を適切に反映させるとともに、社会保険への加入徹底の観点で必要な法廷福利費相当額(本人負担分)を上乗せした影響で、都道府県・職種別の全2247区分で単価が上昇した。東日本大震災の被災地では、入札不調の発生率に応じて引き上げ措置も適用し、全国平均を大きく上回る25・5%(加重平均)の伸びをみせている。
 公共工事設計労務単価は、公共工事の発注者が予定価格の積算に活用する。建設技能労働者の所定労働時間8時間当たりの基本給や基準内手当て、賞与(1日当たり)、実物給与(食事支給など)で構成し、都道府県ごとに合計51職種の基準額を定めている。全国平均単価の算出に当たっては、13年度からより技能労働者の賃金実態を反映できるよう、従来の単純平均ではなく加重平均を採用することにした。
 13年度の労務単価については、長期的な技能労働者の不足傾向や賃金の上昇傾向を適切に反映させたことから、前年度に続き2年連続の増加。伸び率は0・9%増だった前年度を大きく上回ることになった。社会保険未加入問題の解消に向け、技能労働者の社会保険加入率に応じて5%程度を単価に上乗せする措置を新たに講じたことが、大きな伸びにつながった。
 主要12職種の全国平均単価は、前年度と比べ▽特殊作業員14・4%増▽普通作業員16・7%増▽軽作業員15%増▽とび工が15・1%増▽鉄筋工15・4%▽運転手(特殊)14・5%増▽同(一般)14・5%増▽型わく工15・6%増▽大工16・1%増▽左官16・6%増▽交通誘導員A14・4%増▽交通誘導員B14・8%増―といずれも二桁の伸びとなっている(いずれも各都道府県の単価の単純平均)。
 さらに、被災3県の入札不調対策として、不調の発生状況に応じて単価を引き上げる仕組みを導入する。12年度に被災3県が発注した工事の入札不調発生割合は、岩手県15%、宮城県38%、福島県24%となっており、再入札の手続きなどが復興事業を遅延させる原因ともなっている。このため、入札不調の発生率の増加が労務単価の高騰に起因すると判断される場合、機動的に単価を引き上げる仕組みを取り入れた。被災3県の平均単価(加重平均)は、前年度から25・5%増の1万6503円となり、平均単価として全国平均を上回ることになった。

提供:建通新聞社