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中央ニュース

2013/03/26

「担い手確保・育成検討会」、国交省に取り組みのスピードアップ求める

 国土交通省の有識者会議「担い手確保・育成検討会」が25日に開かれ、2012年度に各ワーキングチームなどで進めてきたテーマごとの検討状況が報告された。専門工事業を評価する仕組みの検討については、国交省が今後の進め方を「実態調査を行い、その結果を踏まえて検討し、その後にモデル的試行を行う」と説明したのに対し、委員からは「ただちに試行しないと、いつまでも進まない」と注文が付いた。
 また、技能労働者の情報をデータベース化して社会保険加入状況の確認などに活用できるようにする「見える化」でも、データベースの立ち上げなどを「いつまでにできるのか、具体的に宣言をしてほしい」との意見が出るなど、国交省に対し取り組みのスピードアップ、目標時期の明確化を求める声が相次いだ。
 検討会の議論を受けて、国土交通省土地・建設産業局の佐々木基局長は、建設業の核心的な問題は産業の担い手がいなくなっていることであり、技能労働者の確保・育成と、処遇の改善についの議論は今後の日本の成長と発展のために避けられないテーマであることをあらためて強調。「時間的な余裕はない。具体的な足どりを示せるようにやっていきたい」と語り、スピード感を持って取り組む考えを示した。 
 会議で報告されたのは▽専門工事業者などを評価する仕組みづくりに向けた基本的な考え方▽技能労働者の技能の「見える化」の実現に向けた中間とりまとめ▽登録基幹技能者の更なる普及策▽建設技能労働者の教育訓練の在り方▽建設産業の魅力を発信するためのアクションプラン(案)―。
 登録基幹技能者についてはアンケート調査やヒアリング調査の結果から、業界内の認知度がまだ不十分であったことを報告。配置効果のアピールや総合評価方式での活用の働き掛け、登録基幹技能者の更新者マークの作成などを普及を進める方策として示した。また、建設技能労働者の教育訓練の見直しに向けては、「関西職人育成一歩の会」のように元請けと下請けが定期的に協議する場の設置、特定の訓練施設への機能集中、公共職業訓練校などとの連携などの案を提示した。会議では13年度もそれぞれのテーマで検討を続けることを確認した。 
 
提供:建通新聞社