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中央ニュース

2013/03/25

建設ロボット技術懇談会が提言、重点目標に

 国土交通省の「建設ロボット技術懇談会」が22日、建設事業での建設ロボット技術の活用や今後の開発の方向性などについて中長期的な視点から提言をとりまとめた。建設用ロボットの活用目的として、@危険が伴う災害対応A生産性向上と作業環境改善Bインフラ老朽化への対応―の三つを挙げ、おおむね5年後の重点目標に災害調査ロボットの実用化、点検ロボット技術の開発・活用を提言。さらに建設ロボット技術を発展・普及させていくために、コンペ方式の導入や継続的な情報交換の場の設置、省庁連携による研究開発拠点設置―などの検討を求めている。提言は3月中に正式に策定する。
 提言は、建設技能の熟練者不足、多発する災害やインフラの老朽化などを踏まえたもの。懇談会では、ロボット技術に対する建設産業界のニーズと、研究者のシーズを調査・分析。その結果から労働生産性の向上、施工現場の安全確保について、課題解決の実現性があると考え、三つの活用目的を設定し、長期目標と短期的に達成を目指す重点目標を示した。
 例えば、災害対応の長期目標としては、▽人が立ち入れない災害現場にアクセスし被害状況を確認できる無人調査機械による災害現場調査▽誰でも短時間の訓練で無人化施工機械が操作できるようになるアシスト機能による操作の簡易化―に設定。重点目標には、災害調査ロボットの実用化、無時間施工の対応力の改善を挙げた。災害調査ロボットは、ヘリコプターなどから災害現場に直接投入が可能で、現地映像などを送信可能なものを実用化するとした。
 また、建設ロボット技術を発展・普及させるための方策としては、直轄事業の現場を実験フィールドとして提供することや、重点目標に取り組む仕組みをつくり、継続的に実施してくことなどを提案。さらに、ロボット関連の研究者は研究成果の活用場所を探しているものの、建設業界を知らないことから、ロボット関係者と建設関係者の産学官による情報交換の場を設置すべきとした。

提供:建通新聞社