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2013/03/21

国交省が適判制度の実態調査 判定員不足など課題

 国土交通省は18日、社会資本整備審議会建築分科会建築基準制度部会に、建築確認と構造計算適合性判定(適判)の実態調査の結果を報告した。調査結果によると、適判物件の確認申請から確認済証交付までの日数は、構造設計者が事前相談を行うと平均25日程度短くなることが明らかになった。ただ、審査体制が未整備などの理由で事前相談を制度化していない都道府県や適合性判定機関は全体の24%に上る。
 建築確認と適判をめぐっては、これまでの建築基準制度部会で▽総確認審査日数(50日程度)の妥当性の検証▽特定行政庁における審査体制の充実▽事前相談の制度化▽適判機関への常勤判定員の配置義務付け―などの意見が上がっている。
 実態調査はこうした意見に応じる形で行ったもの。これによると、適判物件の平均の総確認審査日数は2010年下半期ごろから50日程度で推移しており、事前相談を行った物件の確認申請から確認済証交付までの日数は、事前相談を行っていない物件に比べ25日程度短くなるなど、事前相談の有効性が明らかになっている。
 ただ、適判の事前相談については、非常勤の判定員が多く審査体制が未整備などの理由で、都道府県で6団体(67%)、指定適判機関で8機関(16%)が制度化していない。常勤・非常勤を含めた判定員の数は近年減少傾向にあり、調査に対して「判定員を十分に確保している」と回答した機関は全体の28%に過ぎなかった。年齢構成でみても、60才以上の判定員が39・7%に上るなど、高齢化も課題の一つだ。
 一方で、都道府県の28・3%で、適判機関の指定申請を受理していない現状も明らかになった。「指導監督が行き届く範囲で適判機関を指定したい」などの理由を挙げているという。
 建築基準制度部会では、今回の実態調査の結果も参考に今後の確認検査制度の在り方を検討する。年内をめどに報告書をまとめる予定だ。

提供:建通新聞社