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2013/03/19

羽田空港が10年後に再び限界 E滑走路新設など対応必要

 日本建設業連合会(日建連)は18日、「海洋立国を支える建設技術」と題して海洋開発技術講演会を開き、羽田空港の容量拡大策、東日本大震災を踏まえた津波対策技術などについての研究成果を発表した。日建連空港技術部会の清水正巳氏は、現状のままでは羽田空港の発着可能な回数(処理容量)がおよそ10年後に再度限界に達するとの予測を示し処理容量拡大策の必要性を指摘。その上で@A滑走路の南側スライドAE滑走路の新設B旧B滑走路活用―の三つの対策が単独でも組み合わせても可能だとした。
 A滑走を南側にスライドさせる案については、先にC滑走路北側にE滑走路を整備し、A滑走路の利用を制限して実施すれば、大幅な工期短縮ができるとした。また、A滑走路のスライドは多摩川の河積阻害を抑えるため桟橋構造とし、E滑走路は経済性から埋め立て工法で検討。それぞれ揚圧力対策、環境影響評価と対策が必要になると分析した。
 さらに空港内施設面積は1271fあるが、滑走路だけ増設しているため、国際線でエプロンや旅客ターミナル、貨物ターミナル、給油施設など約100fが不足すると見込む。不足分についてはE滑走路沖側の拡張部を利用することで対応できるといい、埋め立て面積約508fで、旅客ターミナル・エプロン約62fの増設、貨物ターミナルの・エプロン約49f増設、給油施設約4f増設と見積もった。
 このほか、離れた位置に配置されている国際線ターミナルと国内線ターミナルを結ぶための新しい交通システムの整備を提案。既存・開発中の新交通システムの中から、急曲線・急こう配に対応でき、小断面で、無人運転が可能な次世代リニアメトロを選んだ。その構想の概要は、12b車両で2両編成、設計速度が時速40`。最少平面半径70b、縦断勾配6%。シールドトンネルの内空は単線4200〜4400_、複線で8000_。
 現在の羽田空港の離着陸回数は最大で1時間当たり40回だが、三つの処理拡大策を実施すると1時間当たり49回まで拡大できるという。
 
提供:建通新聞社