全国建設業協会(全建)の淺沼健一会長は13日の協議員会で、自民党・公共工事契約適正化委員会が入札契約のさまざまな課題について5月に当面の打開策を出すとしていることについて、「建設業を再生するためのたいへん貴重な機会」と話し、全建としても、労務単価の改善、適正利益の確保、予定価格の上限拘束性撤廃などを要望していく考えを示した。
また、会議後の記者会見で淺沼会長は、2012年度補正予算について総力を挙げて対応するとし、「資材や技能者の確保で厳しさもあるが、建設産業の底力を発揮し国民から感謝・信頼されるチャンス」と語った。さらに国土交通省が公共事業の迅速な施工を確保するため、震災被災地に限定していた特例措置を全国に拡大したことを歓迎するとともに、各発注者が柔軟な設計変更と、指名競争や随意契約の活用を積極的に取り組むことに期待を示した。
一方、来賓として出席した脇雅史参議院議員は、各地域の住民が「どういう生活をするのか、どのような経済活動をするのか、そのためのインフラは何かを考えなくなった」と話し、しっかりとした目標を立て、計画的に社会資本整備を進めることの重要性をあらためて強調。その上で、国土強靭(きょうじん)化についても、新たに長期計画を法制化していく必要があるとした。また、佐藤信秋参議院議員は、建設業を若者が入ってくる産業にするために「工夫をすれば利益が出させるような発注の仕組みにしなくてはいけない」と指摘。各省とは問題意識を共有できているとし、今後は「どうしたら問題を解決できるのか、具体的な制度化にかかっている」と話した。
提供:建通新聞社