文部科学省は、11日に開いた「災害に強い学校施設づくり検討部会」で、東日本大震災による学校施設の津波被害の状況を説明した。それによると岩手県、宮城県、福島県の沿岸部にある市町村の公立小中学校のうち、105校が津波の被害を受けた。標高5b以下、かつ海岸からの距離2`以下にある学校の82%に当たる56校が被災。また、岩手県内では標高20b以上でも被害を受けた学校が2校あった。宮古市内の小学校は標高が28bにもかかわらず、津波が斜面を遡上し被害を受けた。
同省は被災3県の沿岸部の公立小中学校582校について調査し、津波被害と学校の立地に着目して分析した。
被害を受けた学校は105校、被害を受けなかった学校は467校で、未確認が10校。標高20b以下で海岸からの直線距離が2`以下の学校は136校あり、そのうち63%に当たる86校が津波被害を受けた。これらはリアス式海岸の沿岸部にある学校で、複雑に入り組んだ海岸の地形により津波の遡上高が高かったため、比較的高台に立地している学校でも被害が出たとみている。
また、標高5b以下で海岸からの距離が0〜6`の範囲にある123校のうち、津波の被害を受けたのは73校(59%)。宮城県では海岸から4`以上離れた学校が被害を受けたケースもあった。津波が河川を遡上して被害を受けたり、平たん地で津波を遮るものが少ないため被害を受けたと推測している。
提供:建通新聞社