復興庁は、東日本大震災で被災した地方自治体に対する復興交付金の運用を見直した。基幹事業(区画整理、災害公営住宅整備、農業など)や効果促進事業の対象を拡大するなど、被災地からのさまざまな要望に応えられるようにする。運用の柔軟化により、復興の加速化を図る狙いがある。
基幹事業についてはこれまで、対象の40事業のうち、区画整理、災害公営住宅整備、農業・水産業の基幹施設を中心に配分してきたが、まちづくりの基盤整備が進んできたことを踏まえ、採択範囲を拡大する。
具体的には▽公益施設(地域交流センター)▽防災拠点施設▽駐車場・広場▽自治会館▽キャンプ場復旧整備―なども優先的に採択できるようにする。
事前の計画提出・承認を必要としない「効果促進事業」についても、採択範囲を広げる。砂浜の再生調査・整備、私立幼稚園用地整備、盛土材の仮置き場などの要望にも柔軟に対応する。同事業については、使途の自由度の向上や県への一括配分なども行う。
また、復興交付金では対応が難しい事業についても、取り崩し型復興基金、社会資本整備総合交付金、全国防災事業など、このほかの支援制度の活用を検討するとした。
提供:建通新聞社