国土交通省は、2012年度補正予算の円滑な執行に向けた具体的な運用方法をまとめた。指名競争入札方式を活用する場合は、入札監視委員会など第三者機関により指名業者の選定などを事後チェックした上で、その結果を本省に報告するよう要請。一括審査方式の活用に当たっては、等級や工事の目的・内容、技術審査・評価の項目などが同じで、施工地域が近接する事務所発注工事を対象とするといった要件を明確化した。
今回の運用方法は、2月26日に発出した事務次官通達のうち、入札契約部分を具体化するためのもの。入札手続き期間の短縮と発注業務の効率化について、それぞれ対象工事の要件や留意事項を示しており、本省関係課長連名で地方整備局や地方航空局、大臣官房営繕部などに同日付で通達した。
入札契約手続きの短縮に向けては、事業執行の迅速化や効率化に大きな効果が見込まれる工事について、指名競争入札方式により実施しても差支えないことをあらためて明記。ただし、入札・契約手続きの透明性・公正性を確保するため、第三者機関による事後チェックとその結果の報告を求めた。
総合評価方式の提出資料を簡素化する対象工事の選定に当たっては、受注者が偏る恐れがある工事に適用しないことを留意点として提示。新規参入者に配慮する観点から、企業の手持ち工事量に関する項目も必要に応じて設定することとした。
発注業務の効率化をめぐっては、大型ロット化を見据えながら「事業執行の迅速化や効率化に資する適切な規模での発注」に努めることが必要とした。一方、中小建設業者の受注機会を確保するため、WTO案件を除く大規模工事のうち、工事難易度が低いものについては、上位等級への参入拡大を積極的に推進するよう求めた。
一括審査方式の活用に際しては、▽支出負担行為担当者または分任支出負担行為担当者が同一▽業種区分、等級が同一▽施工地域が近接▽入札公告や競争参加資格申請書の提出、入札、開札、落札決定がそれぞれ同一日▽施工計画または技術提案のテーマが同一―といった要件を全て満たす場合、同一の技術資料を使って評価することを認める。
このほか、総合評価方式の二極化の前倒しや、詳細設計付き施工発注方式、設計施工一括発注方式の実施も盛り込んだ。また、契約変更の取り扱いとして、現に施行中の工事と分離して施工することが著しく困難な工事については、既契約工事に追加することとした。
提供:建通新聞社