2012年度補正予算の成立を受けて国土交通省は、公共事業をはじめとした追加事業を可能な限り早期に執行するよう、各発注機関に26日付で通達した。入札契約手続きに当たっては、総合評価方式での提出資料の簡素化や指名競争入札方式の活用により期間短縮に努めるとともに、概算数量発注方式や詳細設計付工事発注方式の積極活用を要請。ダンピング受注の防止徹底や不調・不落対策による適正価格での契約を推進することも盛り込んだ。
この通達は「平成24年度補正予算等に係る国土交通省所管事業の執行について」と題し、事務次官名で地方整備局など直轄事業を所管する機関のほか、気象庁などの外局や独立行政法人に宛てて送付。加えて、都道府県政令市に参考送付し、管内市区町村にも周知徹底するよう求めた。
この中では、緊急経済対策の裏付けとなる補正予算が26日に成立したことを踏まえ、追加事業を可能な限り早期に執行する必要性を指摘。その上で、入札契約手続きの実施に当たり、一層の透明性・競争性を確保するとともに、総合評価方式での提出資料の簡素化や指名競争入札方式の活用などにより可能な限り手続き期間の短縮に努めることとした。
また、工事の種類、現場条件などを考慮した概算数量発注や詳細設計付工事発注の積極的な活用、事業執行の迅速化・効率化に役立つ適切な規模での発注、総合評価方式での技術審査・評価業務の効率化なども必要とした。
工事の発注に際しては、ダンピング受注の防止徹底や不調・不落対策などによる適正価格での契約を推進するほか、工事の円滑な施工を確保するため、建設技術者の効率的な活用に役立つ措置を講じるよう要請した。
資金繰りを円滑化する観点からは、地域建設業経営強化融資制度での債権譲渡承認事務の迅速化や、下請けに対する請負代金の適切な設定・支払いを徹底するよう求めた。
提供:建通新聞社