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2013/02/22

厚労省が新水道ビジョン案 重要管路耐震化で「強靭な水道」へ

 厚生労働省は、水道の将来像や当面取り組む施策を示した「新水道ビジョン案」をまとめた。ビジョン案では、50年後、100年後を見据えた水道の理想像を明示するとともに、理想像を具体化するために当面の間に取り組む施策を示した。「強靭(きょうじん)な水道」を新たな目標に加え、全水道事業者が給水区域内で最も重要な給水拠点を設定し、管路、配水池、浄水場の耐震化を重点的に進めるとした。
 2008年の改訂後の東日本大震災や人口減少への転換など、水道の事業環境を取り巻く大きな変化を踏まえ、今回は改訂ではなく新たなビジョンとしてまとめた。
 強靭な水道の実現に向けては、各水道事業者が耐震化計画の策定を進め、水道施設耐震化率の底上げを図る。当面の施策として、給水区域内にある病院や避難所などを重要な施設と位置付け、該当する施設への供給ライン(管路)の耐震化を優先的に推進。10年程度での耐震化完了を目指す。その後、断水エリアや断水日数の影響が大きい施設・管路についても耐震化を進め、50〜100年先に水道施設全体を完全に耐震化できるよう、耐震化計画への明示を求めている。
 水道施設の老朽化に対しては、水需要の減少に対応したダウンサイジングの方向性で、安全率を担保した施設の再構築を進める。浄水場と接続した大口径送水管や中心市街地に敷設された大口径の送配水管の更新は、日常の給水に支障がないように、バックアップ管路の整備や工程管理など、事前の計画作成が重要だとしている。施設の適正な維持管理に向け、施設情報を電子化し、老朽度判定など多角的な分析を行うことも促している。

提供:建通新聞社