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2013/02/20

除染の共通仕様書改正 下請けにも入札参加資格 

 環境省は、福島県内における手抜き除染≠フ問題を受け、除染工事の共通仕様書を改正した。現場の指揮監督を行う「作業指揮者」が所属する下請け事業者に、同省の工事か役務の入札参加資格の取得を義務付け、下請け事業者の不適正な行為に対して指名停止処分を下すことができるようにする。作業実績の報告内容や作業日報の記載事項も見直し、監視体制を強化する。改正後の共通仕様書は、今後、同省が入札公告する除染工事に適用する。
 共通仕様書は15日付で改正した。下請け事業者に対する入札参加資格の取得を義務付ける対象は、除染業務の指揮・監督を担う作業指揮者を雇用する下請け事業者。入札参加資格は、工事だけでなく、資格審査で過去の実績を求められない役務の取得も認める。
 作業管理体制も見直す。1週間ごとの工程や地図情報を添付した施工予定箇所の報告に加え、作業日報の記載事項を見直して作業前後の現場写真の提出などを求める。
 また、1日当たり1万円を支給する「特別勤務手当」の不払いが発生したことに対し、下請け事業者と作業員との間で交わされる労働条件通知書に手当の支払いを記載するよう、元請け事業者から周知させる。これにより、不払いがあった場合に厚生労働省が労働基準法違反として取り締まることを可能にする。
 環境省では、共通仕様書の改正に加えて、除染事業の実施状況や施工管理体制を審査する「除染適正化推進委員会(仮称)」を月内にも発足させるほか、監督体制の抜本的な強化を図る。13年度の発注量に合わせ、職員を50人体制に増員するほか、監督支援業務の委託で150人を確保する計画だ。

提供:建通新聞社