国土交通省の「安全を持続的に確保するための今後の河川管理のあり方検討小委員会」は18日の会合で、河川管理の方向性を示す答申の策定に向けて意見を交わした。2月に正式決定した中間取りまとめをベースとしながら、現況の安全度や計画規模を上回る洪水への対応や、流域全体での防災・減災といった論点を詰め、次回3月の会合で答申案をまとめる方針だ。
河川管理をめぐっては、高度成長期に整備された多数の水門・樋門、排水機場などの構造物の老朽化といった課題に加え、循環型社会の形成、健全な水循環系の構築、良好な河川環境の整備など新たな社会的要請もある。こうした問題意識を踏まえ国交省は、2012年8月に小委員会を設けた。
中間取りまとめでは、維持管理基準を河川法令で制度的に位置付けるべきと提言。都道府県を含め全国の河川管理の実態が集約される仕組みを構築することや、災害時の応急復旧に対応可能な建設業者を確保するために入札契約方式を改善することなども必要とした。
今回の会合では、こうした中間取りまとめの内容に加え、現在の治水施設の能力を超える洪水を視野に入れ、流域全体を見渡した防災力の在り方を総合的に検討することとした。また、河川内に多く存在する既存不適格の工作物への対応なども話し合い、3月の答申に反映させていくことを確認した。
提供:建通新聞社