政府の規制改革会議は15日に開いた会合で「エネルギー・環境」など4分野を対象にワーキンググループを設置し、6月に当面のとりまとめを行うことを決めた。規制緩和の対象となる項目は2月中に開く次回会合で最終決定するとしており、「区分所有法における建替決議要件の緩和」「既存不適格マンションの容積率緩和」などが候補に挙がっている。
ワーキンググループを設置する分野は、政府の日本経済再生本部が規制改革の重点分野とした「健康・医療」「エネルギー・環境」「雇用」に「創業」を加えた4分野。
このうち、創業分野では、震災に強いインフラを整備する目的で、老朽化したマンションの更新を促進する目的で、区分所有法の決議要件を緩和することや、借地借家法における賃貸人の更新を拒絶するための「正当事由」に「建物の老朽化」や「耐震性の不足」を加えるとした、建築関連の規制緩和措置が候補に挙がった。
また、エネルギー・環境分野では、再生可能エネルギーの普及促進の観点で、事業用電気工作物を設置する際に義務付けられる電気主任技術者の選任要件緩和も候補の一つとした。無人運転が可能な再生可能エネルギー発電施設については、電気主任技術者が常時勤務する義務を緩和する。また、農地や耕作放棄地への太陽光発電設備の設置を可能にするため、農作物を育てながら太陽光発電事業も同時に実施できる基準を策定することなども対象となる可能性がある。
規制改革会議は6月までに当面のとりまとめを行った後も検討を継続し、1年程度をかけて最終報告をまとめる。
提供:建通新聞社