政府の復興推進委員会は、東日本大震災の復興事業について、2012年度の年次報告をまとめた。年次報告では、被災者の意見を反映した復興計画の柔軟な見直し、産業用地の嵩上げなどを提案。入札不調や資材価格の高騰に対しても、継続的に対応するよう求めた。
年次報告では、復興の現状について、原子力災害の警戒区域などを除き、公共インフラの応急復旧がほぼ完了しているほか、防災集団移転促進事業の計画地区の8割以上で地権者同意を終えているとした。ただ、建設業求人が増加する一方で未経験者の就職が困難といった、雇用のミスマッチ解消が重要な課題になるともしている。
今後の課題としては、復興計画をまとめる際に住民と行政の意思疎通が図れず、実施困難な規模・スケジュールが設定されているケースがあると指摘し、手続きや手順の簡素化を図り、復興計画の柔軟な見直しを図るよう提案。地域産業の早期再生に向け、産業用地の嵩上げを迅速に進めるよう政府に求めた。
また、復興事業のボトルネックとして、入札不調と資材価格の高騰を挙げ、既に政府が進めている予定価格の適切な算定や事故繰り越し手続きの簡素化などの対策を継続的に講じるよう求めている。
提供:建通新聞社