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中央ニュース

2013/02/07

国交省直轄で執行円滑化策 被災地特例を全国展開

 国土交通省は、全国で直轄事業の円滑な執行に向けた対策を試行することを決めた。施工箇所が点在する工事の間接費を別途計上できるようにすることや、遠隔地から労働者や資材を確保するための費用を設計変更で対応できるようにすることなど、東日本大震災の被災地での特例措置を全国展開する。このため、具体的な運用方針を6日付で各地方整備局などに通達した。
 今通常国会で審議中の2012年度補正予算案には、公共事業費として約5兆円を積み上げており、13年度当初分を合わせると10兆円を超える規模となる。こうした中で国交省は、直轄事業を迅速・円滑に進めていく必要があると判断し、新たな対策を講じることにした。
 施工箇所が点在する工事については、大型ロット化に対応するため、間接費をそれぞれ計上できるようにした上で、工事箇所の範囲を被災地で原則化している「市町村単位」から「直径5`程度以内」へと要件を緩和する。
 また、建設資材関係の設計変更は、砕石、土砂などの建設資材の購入、輸送費などの調達に要する費用、特定の所在地から調達する仮設材の調達に要する費用が対象。これらを他地域から調達せざるを得ない場合、事前に監督職員と協議した上で、証明書類(実際の取引伝票など)を監督職員に提出すれば設計変更を認める。
 被災地以外からの労働者確保に関しては、労働者の輸送費用や宿泊費、宿舎などの借上費、募集・解散費などを設計変更の対象とする。発注者は、受注者から請負代金内訳書の提出があった後、工事費構成書で予定価格に対する実績変更対象費の割合を提示。これを踏まえ受注者は、工事契約締結後の単価合意を行う際、実績変更対象費の内訳を記載した実施計画書を作成し、監督職員に提出する必要が出てくる。
 一連の対策は、12年度補正予算の成立日以降に入札手続きを始める工事、または既契約工事に追加する工事が対象となる。国交省大臣官房技術調査課では試行期間について「直轄工事の迅速化が必要な当面の期間を想定しており、12年度補正予算に限定するものではない」と説明している。

提供:建通新聞社