中日本高速道路会社は1日、笹子トンネル天井板落下事故を踏まえた安全性向上の取り組み方針をまとめ、国土交通省に提出した。事故の再発防止に向けて▽企業文化の再構築▽構造物の経年劣化に対応した業務プロセスの見直し▽安全管理体制の確立▽体系化された安全教育を含む人材育成―の4本柱を提示。安全性向上3カ年計画(2013〜15年度)の策定や、笹子トンネルと同じ構造を持つ恵那山トンネルの天井板撤去といった施策も盛り込んだ。
4本柱のうち業務プロセスの見直しでは、点検・補修の要領・マニュアルを見直すとともに、ICTなど新技術の積極導入で点検・補修技術の高度化を図る。新たな判断基準による部材の更新の在り方も検討する。
安全性向上3カ年計画には、4本柱に関する具体的施策や工程を明記する。外部有識者からなる委員会を早急に設置して検討を進める。
恵那山トンネル以外の天井板があるトンネルについても、対応方針を早急に決める。トンネル内付属物の点検は2月末までに完了させる。
国交省に赴いた中日本高速の金子剛一社長は、梶山弘志副国交相から求められた「遺族への真摯な対応」や「しっかりした安全性向上計画の策定」などを挙げながら、「(それらに)全力を尽くすことが私の役割」と述べ、辞任しない考えを示した。
提供:建通新聞社