政府が29日に閣議決定した2013年度当初予算案では、一般会計に公共事業関係費として5兆2853億円を計上した。地方自治体のハード・ソフト事業に使用されていた地域自主戦略交付金(一括交付金)を廃止して各府省の公共事業に振り分けたため、前年度比15・6%の増額となっている。当初予算における公共事業関係費は、民主党政権が編成した10年度予算以降減額されており、増額は4年ぶりとなる。
公共事業関係費は、前年度から7119億円を増額。一括交付金の廃止による約6400億円のほか、農林水産省の非公共事業を公共事業に約400億円移行した。一括交付金廃止の影響を除いた公共事業関係ひは0・3%増と前年度から横ばいとなるとは言え、公共事業費の削減を続けた民主党政権時代からの政策転換が鮮明に表れた格好だ。
公共事業関係費の主な項目別予算は▽道路整備1兆2619億円(0・3%増)▽治水5942億円(2・9%増)▽農業農村整備2627億円(23・4%増)▽林野公共に1796億円(2・8%増)▽港湾整備1732億円(2・8%増)―など。
府省別では、一括交付金廃止の影響で、国土交通省が4兆4891億円で14・1%増、農水省が6506億円で32・9%増といずれも2桁の増加。このほか、環境省が563億円で3・8%減、厚生労働省が347億円で8・2%増、内閣府が527億円で9・6%減となっている。
一般会計に加え、東日本大震災復興特別会計にも、復興関係公共事業費として72・7%増の8793億円を計上。復興特別会計では、地方の復旧・復興事業を支援する東日本大震災復興交付金に5918億円、災害廃棄物処理事業費に1266億円なども盛り込んでいる。
提供:建通新聞社