復興庁は、2013年度東日本大震災復興特別会計予算案に総額2兆9037億円を盛り込んだ。前年度当初予算と比べ42・1%の増額。地方の復旧・復興事業に対する東日本大震災復興交付金災害復旧事業、除染などを大幅に増額している。復興特別会計全体では、4兆3840億円(16・1%増)が計上され、全国防災事業や震災復興特別交付税などが盛り込まれている。
復興庁関係の予算は、復興特別会計に全額を計上。福島の復興・再生の加速化、復興庁の司令塔機能の強化などの方針に基づいて編成された。
復興交付金としては、106・3%増の5918億円を計上している。公共施設などの災害復旧だけでは対応が困難な市街地の再生を、被災した地方自治体の事業計画を基に一括で支援する。公共インフラの復旧関係では、海岸堤防、農地・農業用施設、上水道、学校などの災害復旧事業に6611億円、復興道路・復興支援道路の整備に1384億円、農林水産基盤整備に478億円などを計上している。
除染関係では、国・市町村が実施する除染の費用に4978億円、放射性物質汚染廃棄物処理事業に971億円、中間貯蔵施設の実施設計費などに146億円を盛り込み、総額として36・8%増の6220億円を計上している。
このほか、津波浸水地域と原子力災害による警戒区域が解除された地域など、福島県の産業復興を加速する「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金」を創設。1100億円を投じ、立地企業を支援する。
復興特別会計には、復興庁計上分以外に、震災復興特別交付税6053億円、復興加速化・福島再生予備費に6000億円などを計上。被災地外への使用が問題視された全国防災事業は、概算要求時点の9412億円から1300億円へと大幅に絞り込み、学校の耐震化と津波被害を教訓に実施する公共事業に限定して予算計上を認めた。
提供:建通新聞社