国土交通省は28日、社会資本整備審議会道路分科会に設置した「道路メンテナンス技術小委員会」の初会合を開いた。中央道笹子トンネル天井版落下事故を受け、橋梁やトンネルなど道路構造物の維持管理に関する技術基準類や運用状況を総点検し、点検関係の基準類や地方自治体への支援措置の在り方などを検討する。4月までに中間報告をまとめる。
橋梁やトンネルなどの維持修繕に関する技術基準類は、通達やマニュアルなどで形成。維持管理の充実に向け、点検要領などの見直しが求められているが、基準でどこまでを決めるべきか、国がどのレベルまで関与すべきか、などといった課題がある。
国交省がまとめた今後議論すべき論点では、点検要領の見直しだけでなく、マネジメントの実効性確保が必要との見解も示されている。点検や補修計画の内容を公表することや、国道や高速道路の点検結果と修繕計画について、国への報告を義務付けることなどを論点として挙げている。
地方自治体への支援措置については、市町村管理の構造物を把握するシステムづくりも検討する。県道や市町村道をどの範囲まで予防保全型に移行するか整理する。このほか、適切な補修や長寿命化を促す発注方式の必要性についても指摘し、橋梁の専門業者が点検・診断・補修を一括で受注できる制度なども検討課題とした。
提供:建通新聞社