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中央ニュース

2013/01/30

公共事業関係費は14・1%増 防災・安全交付金を新設

 国土交通省は、今通常国会に提出する2013年度の同省関係予算案をまとめた。一般会計総額は国費ベースで前年度に比べ11・6%増の5兆0743億円。このうち、公共事業関係費は14・1%増の4兆4891億円となった。内閣府の地域自主戦略交付金の廃止分が、新設の「防災・安全交付金」に振り替えられたことが大幅増の要因。これによって、地域の事前防災・減災対策や老朽化対策の集中的な支援を可能とする。また、住宅・建築物の耐震化に向けた緊急対策に100億円、災害に強い国土に向けたグランドデザインの策定に1億円などを新規事項として盛り込んだ。
 13年度予算案の編成に当たり国交省は、▽「復興・防災対策」「成長による富の創出」「暮らしの安心・地域活性化」の3分野に重点化▽インフラの安全性の徹底調査・総点検をはじめ総合的に老朽化対策、事前防災・減災対策を実施▽費用と効果を明らかにしつつ必要性を厳しく判断するなど、国民の納得が得られる事業の推進▽入札契約手続き期間の短縮やダンピング対策の徹底などによる公共事業の迅速かつ円滑な施工確保に向けた取り組みの推進―を基本方針に据えた。
 新設の「防災・安全交付金」には1兆0460億円を計上。老朽化したインフラの総点検を踏まえた緊急対策や長寿命化対策、維持管理・更新について、自治体から計画提出を求めた上で必要な費用の一部をハード・ソフト両面から支援する。
 一方で、既存の社会資本整備総合交付金は36・5%減の9134億円とした。大幅減の要因は、防災・減災関係の交付金を防災・安全交付金に振り替えたためで、インフラ整備やまちづくりを通じた民間投資の喚起、地域活性化につながる自治体の事業を引き続き支援する。
 住宅・建築物の耐震化に向けた取り組みとしては、特に多数の者が利用する大規模建築物や緊急避難路沿道建築物に対する耐震診断の義務付けを視野に入れていることを踏まえ、こうした建築物の耐震改修に対する支援を強化する。
 また、災害に強い国土に向けたグランドデザインは、国土強靭(きょうじん)化を計画的に進めるため、国土と地域の将来ビジョンを踏まえた計画とする方針だ。

提供:建通新聞社