全国中小建設業協会(全中建)は会員企業を対象とした社会保険未加入状況についてのアンケート結果をまとめた。それによると、回答した252社全てが企業として健康保険、年金、雇用保険に加入済み。ただ、現場の就労者についてみると、元請けと下請けの正社員を除いた場合の未加入率は2割を超えており、未加入の理由としては「資金の余裕がない」「本人の希望」などが挙がった。25日の通常理事会で報告した。
調査は、会員会社の約1割を抽出して実施。回答率は87・5%。回答会社の正社員の加入率をみると、事務職は健康保険が95・6%、年金が94・5%、雇用保険が82・4%。技能労働者は健康保険が98・0%、年金が98・2%、雇用保険が95・2%だった。
また、正社員以外の加入率をみると、事務職は健康保険が52・7%、年金が51・6%、雇用保険が75・5%。これに対して技能労働者の加入率は、健康保険が71・7%、年金が69・8%、雇用保険が75・8%となっていて、総じて事務職より技能労働者の方が加入率が高い。
一方、自社が元請けとなっている工事現場の就労者について加入率を調べたところ、元請けおよび下請けの正社員では、健康保険が93・5%、年金が88・5%、雇用保険が85・2%。社員以外の加入率となると健康保険が71・8%、年金が70・2%、雇用保険が65・1%と低く、未加入率は22・5%〜26・1%に及んでいる。
正社員で加入していないのは、健康保険の場合が75歳以上、年金が70歳以上、雇用保険が事業主・役員といった加入不可の人たち。社員以外の就労者でも加入対象外の者もいるが、未加入の理由として「資金に余裕がない」「本人の希望」などの理由も挙がっている。全中建では、下請けの加入率が低いことから、今後、元請けとしての指導などについても検討する必要があるとした。
提供:建通新聞社