国土交通省は、地方自治体が実施する老朽化対策や事前防災・減災対策を支援する「防災・安全交付金」として、2013年度当初予算案に1兆円を盛り込む。同交付金は12年度補正予算案にも5498億円を計上しているが、さらに1兆円を積み増すことで、高度成長期に完成したインフラの老朽化や南海トラフ巨大地震などへの対応を急ぐ。
27日に行われた大臣折衝で、麻生太郎財務相が国交省の要求通り、13年度当初予算に1兆円を計上することを認めた。財源には、13年度当初予算で廃止が決まった地域自主戦略交付金の一部が充当される。
地方自治体が求めていた「社会資本整備総合交付金」の拡大に対し、防災・安全交付金を12年度補正予算との合計で約1兆5000億円確保し、深刻化する老朽化対策や事前防災・減災対策を集中的に支援する。
交付金では、老朽化したインフラの総点検を踏まえた緊急対策や長寿命化対策、維持管理・更新をハード・ソフト両面で支援。橋梁、下水道、港湾施設、河川管理施設などの補修や長寿命化対策の事業費を補助する。また、橋脚の耐震補強、雪崩防止対策、海岸堤防の整備など、事前防災・減災対策も支援対象とする。
また、社会資本整備総合交付金になかった▽体育館などの天井崩落防止対策▽既設エレベーターの防災対策改修▽延焼防止のための建築物の不燃化―なども新たに支援メニューに加える。自治体に最長5年の計画提出を求め、毎年度の事業費を交付する。
提供:建通新聞社