2013年度の建設投資(名目値)は、前年度比7・7%増の47兆3300億円になる見通しであることが、建設経済研究所と経済調査会のまとめで分かった。自公政権の発足で編成された大型補正予算により、政府建設投資を前回10月時点から大幅に上方修正したことから、建設投資全体で08年度の水準まで回復した。政府建設投資は12・2%増の20兆2100億円となり、04年度以来9年ぶりに20兆円台まで回復する見通しだ。民間住宅と民間非住宅についても、回復基調にあると予測している。
12年度の政府建設投資は8・2%増の18兆2000億円と予測するが、12年度補正予算はほとんどが13年度に繰り越されると考えられるため、投資額としても13年度分に計上している。
13年度の政府建設投資は、補正予算に盛り込まれた公共事業関係費を事業費ベースで約6兆円と見込み、当初予算の公共事業関係費を前年度並みと仮定。さらに、東日本大震災復興特別会計と地方単独事業費を加えた政府建設投資が20兆2100億円になると試算した。
12年度から繰り越される補正予算については、予算執行に当たって政府が行った自治体負担を軽減する臨時交付金の創設や入札手続きの前倒し・簡素化などの措置を踏まえ、例年より高めの執行率を想定。ただ、投資を押し下げる懸念材料として、技術者・技能者不足、労務・資材費の上昇、入札不調などによる予算執行の遅れを上げた。
民間住宅投資は、被災3県を中心とした復興需要と消費増税前の駆け込み需要が着工戸数を下支えし、引き続き緩やかな回復基調になると予測した。13年度の投資額は5・4%増の14兆4200億円、着工戸数は4・5%増の93万戸とみている。
13年度の民間非住宅建設投資は3・8%増の12兆7000億円になると予測。世界経済の回復の遅れや国内企業による設備投資の海外展開などのリスクを注視する必要があるとするものの、倉庫への投資の活発化、既存ビルの建替需要の増加などにより、回復基調が続くとみている。
提供:建通新聞社