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中央ニュース

2013/01/28

総点検で「カルテ」整備を インフラ維持管理で緊急提言

 国土交通省の「社会資本メンテナンス戦略小委員会」は25日、インフラの維持管理で国などが講ずべき当面の対策に関する緊急提言の内容を大筋で固めた。中央自動車道笹子トンネル事故を契機として、早急に実施すべき方策として、インフラの健全性診断のための総点検や健全性に関する「カルテ」の整備に加え、国民に対する点検結果の公表などを挙げている。厳しい財政状況にある地方自治体に対しては、財政的・技術的支援を十分に講じることも求める。
 小委員会の緊急提言は、笹子トンネル事故以降、国民が抱くインフラの安全性への不安が解消されるよう、2012年度中に策定する中間報告の一部を前倒しでまとめる。緊急提言のうち、一部は12年度補正予算や13年度当初予算による速やかな実施を要請する。
 速やかな実施を求める提言のうち、健全性診断のためのインフラ総点検については、既に2012年度補正予算案に必要経費が盛り込まれている。これに対し緊急提言では、現状の点検・診断の実施状況を踏まえ、臨時的な点検・診断や新たな点検・診断項目の追加、点検・診断内容の高度化を図るよう求める。
 点検の実施結果については、今後の戦略的な維持管理・更新に活用するため、施設の健全性に関するカルテを整備すべきとした。点検で得られた施設の健全性は広く公表し、国民にインフラの現状の理解を求める。長期的視点に立った維持管理・更新計画の策定についても求める考えで、長寿命化計画の策定や既に策定された計画を見直すべきとしている。
 また、地方自治体などインフラの管理者が抱える財政・人的な制約を解消するため、国が十分な財政的・技術的支援を講じることも要請する。
 一方、中長期的には▽維持管理・更新に関する予算確保▽組織・制度の変革と人材育成▽基準の整備・見直し―などとともに、国が中心になって効率的・効果的な技術開発を推進するよう求める。

提供:建通新聞社